リアリズムと防衛ブログ

防衛ってそういうことだったのかブログ。国際関係論や安全保障論について、本の感想などを書いています。

ナポレオンの読書録

 ナポレオン一世はコルシカ島に生まれ、ブリエンヌ陸軍士官学校で学びました。ボナパルト少年はちびで、青白い顔をし、コルシカ訛りのフランス語しか喋れず、そのくせえらく生意気で、同級生たちから孤立していたそうです。


彼は数学に秀でていましたが、総合成績はよくいって平凡といったところでした。

 しかしその成績から想像される姿とは違い、彼は非常な勉強家で、数知れないほど多くの本を読んでいました。そして彼はただ本を読むだけではなく、読書録を残しています。読んだ本の名前、内容の抜粋あるいは要約、簡単な感想などを記したものです。我々はこれによって、いまだ10代後半であった少年ナポレオン・ボナパルトがどんな本を読んでいたかを知ることができます。


 読書録に記されている本をみると、興味深いことがわかります。10代の彼が読んだ本と、20代以降の彼の人生は直接的に関連しているのです。

 ボナパルト少年が読んでいた本は、まず古今の兵学書、特に砲兵論と攻囲論。次いで啓蒙思想の本。さらには英仏の歴史書、フランスの財政を説いた本にマキャベッリの書などです。

 そして彼はその後、軍人になります。まずは砲兵隊の指揮官として優れた結果を出し、フランス革命の激流に乗って出世し、ついにフランスの指導者になって国政を統括するようになります。


 若きボナパルト少年は将来の自分の姿を考え、そのために必要な知識を選定し、戦略的な読書によって自分を磨いていたのかもしれません。


 ナポレオンは、士官学校を出たばかりの青二才のうちから、既にしてナポレオン以外の何者でもなかったのです。