リアリズムと防衛を学ぶ

本の感想などを書いています。

勝間和代さんがデフレ脱却署名運動を開始

勝間和代さんはリフレ派

勝間さんがリフレ派*1だ、という噂は前々からありましたが、事実であったようです。昨日からTwitterにおいてリフレ政策の実施をもとめる署名運動をなさっております。Twitterに「anti_deflation」というアカウントを設け、賛同者のフォローをつのってらっしゃいます。現在フォロー数はすでに800を越えています。












































高橋是清勝間和代

 件のアンチデフレーション・アカウントはいくつか質問への回答があるだけであり、純粋に賛同者数をカウントするためのものらしいのですが・・・アイコンが高橋是清じゃないですか。しかもリフレ政策ポータルwikiへのリンクもあります。

 高橋是清は戦前の日本で大蔵大臣をつとめた政治家です。当時の日本も現代と同様、デフレによる長期不況に陥っていました。そこで高橋は国債の日銀引受などの大胆なリフレ政策を実施し、デフレを止めることに成功しました。

 リフレ派は高橋金融財政政策のように、現代日本でも大胆なリフレ政策を行ない、期待インフレ率を反転させ、デフレを解消することを提唱しています。

ちなみに私はなぜリフレ政策に賛同しているのか

 私は経済学のことは分かりませんけれども、リフレ政策に賛同しています。なぜなら太平洋戦争や226事件を学んでいて、高橋是清の政策にいきあたったためです。

 226事件は日本が軍国化していくターニングポイントの中でも、最も重大なものの一つです。当時の日本は今と同様、デフレによる長期不況に陥っていました。高橋是清は大蔵大臣として、日銀と協調して大胆なリフレ政策を行ない、デフレを解消しました。しかしその直後、226事件で暗殺されてしまいます。

 この事件が起こらず高橋是清が生き延びていれば、デフレが解消したところでインフレ誘導が打ち切られ、経済が安定した成長軌道にもどったことでしょう。もしそうであれば庶民の不満を理由とした軍人の暴走も起こらず、庶民が政府への信頼を無くすこともなく、したがって軍国化はかなりの程度避けられたかもしれません。半ば以上は国を救いかけたリフレ政策が、そのまま出口まで完遂されていれば、日本の歴史は大いに良い方向へ変わっていたかもしれないのです。

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 また、当時の軍が暴走した根拠は「統帥権の独立」です。これをたてにあらゆる批判を封じ、政府と方針をすりあわせず、独断独走して日本をめちゃくちゃな方向にひっぱっていきました。

 ひるがえって、現代の日銀は「日銀の独立性」をたてにあらゆる批判から免れ、デフレ容認の方向に独断独走しています。日銀の独立性は、金融政策の信頼性のために不可欠なことなのではあります。しかし必要なのは手段の独立性であって、政策目標においては政府と日銀の協調こそ必要、といわれています。

 私には戦前の旧軍といま日銀は、ともにガバナンスの点で似たような問題を抱え、ともに国を誤らせつつあるように見えて仕方がありません。これは私の印象に過ぎないのですが、岩田規久男教授のご著書などをみても、日銀のガバナンスに問題があるのは事実のように思われます。

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 また、リフレ政策はかつてこの日本で一度成功したことがことがありますので、一度うまくいった政策ならもう一度試さない手はない、と素朴に思います。そんなわけで、私は分からないなりに、この政策を支持してるわけです。

そんなわけで勝間和代氏を大いに応援します

というわけで私はさっそくそのアカウントをフォローしました。ご関心の方はぜひ同アカウントとリフレ政策ポータルwikiをご覧下さい。

デフレ脱却を求める署名アカウント (anti_deflation) on Twitter

リフレ政策ポータルWiki - Seesaa Wiki(ウィキ)

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*1:リフレ”派”といいますが、別に党派的な何かがあるわけではなくて、リフレ政策に賛成している人たち、という意味です。