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リアリズムと防衛ブログ

防衛ってそういうことだったのかブログ。国際関係論や安全保障論について、本の感想などを書いています。

117番は時報、119番は消防。では118番は??

 118番は海上保安本部につながる電話番号です。2000年から設置された118番ですが、子どもでも知っている警察の110番の警察、消防の119番に比べて、あまりに知名度が低いのが問題になっています。

 四面環海の日本は海難事故も多く、海難救助は海上保安庁の担当です。にも関わらず、海の事故なのに警察や消防に連絡してしまい、肝心の海保への通報が遅れることが多いそうです。逆に118番にかかってくる電話は、その約99パーセントが間違い電話やイタズラだそうです。

2000年に運用が始まった番号だが、11月末まで10年余りの通報総数のうち、99.3%が間違いや、いたずら電話だった。こうした通報の割合は県警や消防への通報に比べて突出して高く、「救助に支障が出る恐れがある」として、番号の周知に力を入れる。

知ってください「118番」やめてください「いたずら電話」、海上保安庁が周知に力

 ちなみにイタズラの内容は「海でマグロが溺れています」「海にゴジラがでた」などだとか。間違い電話の場合は、海保側が電話にでた途端に切れるものも多いそうです。それでももしかしたら、切迫した事件・事故の通報だったかもしれないので、海保は念のため電話番号や位置情報を調べて折り返し電話しているそうです。

118番の使い道

 海の事故、事件があったさいに第一報がすぐ海保に届かないのでは、治安と人命救助に問題があります。海難事故の第一報が118番に入った場合とそれ以外で、海保の事故発生2時間以内の情報入手率に20%近くも差がついています。(08年海上保安レポート)

 そこで今年2011年から、今日、1月18日は「118番の日」になり、普及活動がはかられています。2000年の設定時からやっておけという話ですが、こんなにも普及が進まないとは予想外だったのかもしれません。

 では「118番」はどんな時にかければいいのでしょうか? 例えば以下の4つの状況が挙げられます。

・海難人身事故に遭った、または目撃した(釣り人や海水浴客が沖に流された、船が転覆したなど)
・密輸、密航など海の犯罪の情報を得た
・不審な船を発見した
・海上での油等の流出を見つけた

 なお、118番は携帯電話やPHSからもつながります。


 海上保安庁は何かと不遇なところがあります。まず、全般にわたって予算が少なく、船の更新がなかなか進まないのが問題になっています。その割に、国際的には軍がやっても不思議はないプルトニウム運搬船の護衛を仰せつかったり、海自の代わりにインド洋まで巡視船を派遣させられそうになったり、はたまた昨年の尖閣沖事件後に流れたデマでは海保の職員が死んだことにされたりしました(参考)。

 他にも、船以外の装備品もなかなか更新できない、人手も不足なので通報があってから休暇中の職員が緊急出勤することも数々(08年より複数クルー制を一部実施)、職員を募集するとほぼ全員が潜水士を目指してたりする(海猿)、何かにつけて海上自衛隊と間違えられる、海自と合同で船の公開イベントをやるとお客さんの入りに差がありすぎてサビしい、など(下記)。

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 しかし海保は少ない予算で頑張っています。海の消防として海難事故での人命救助、また海の警察として密輸や密航など海上犯罪の摘発、そして日本の「沿岸警備隊」として国境警備の任務を担当しています。最後については昨年の尖閣諸島沖事件においてかなりの注目を集めました。あの件では海保の組織統制において極めて不名誉な事態も起こりましたが、それも含め、海保の活動の一端が多くの人の耳目に触れることになりました。

 海保は毎年2000人近い人を海難事故から救出しているそうです。私の知人もヨットが転覆してしまったとき、海保に救助して頂いたことがあります。

 ちなみに海保のWEBサイトによると、事故の際に民間のマリーナや漁協、BAN(車でいうJAF)などに救助してもらった場合、捜索費用を返さねばならない場合がありますが、海保に救助してもらった場合はその必要はありません。

 118番は海で仕事をしている人には既に普及していますが、そうでない人にはまだまだのようです。ふだんは海に行かない人であっても、たまにマリンレジャーに行ったときに事故にあったり、海の事件事故を目撃したりするかもしれません。まだご存じなかった方は、これを機に「海のもしもは118番」を、ぜひ憶えておいてください。