騎兵と歩兵の中世史 (歴史文化ライブラリー)
posted with amazlet at 10.08.06
おすすめ度の平均:
中世武器・甲冑好きの必読書研究者にオススメ
サムライ、武士の武器といえば何と言っても「刀」のイメージがありますが、もともと武士のメインウェポンは「弓」の方だったことはわりと知られています。いわゆる日本刀を二本ざしして、徒歩で使う剣術に優れた武士は、戦争がほぼ無くなった江戸時代のイメージです。そもそもの武士は馬に乗り、弓をひいて戦っていたことから、武士の道のことを「弓馬の道」といいます。
つまるところ、初期の武士とは弓騎兵です。アラブやモンゴルの弓騎兵と比べると鎧が重装備ではあります。とはいえメインウエポンは弓を使い、太刀は主に落馬後の組討に使用していたようです。
武士の戦闘法は、時代が下るに従い、武具の進化とともに変わっていきました。弓の射程が延び、また戦法が集団戦となり、ゲリラ戦・攻城戦がふえるなどの影響からか、次第に騎射から歩射へ、弓から打物への移行がみられます。
そういった中世期の戦技の変化を、史書と武具の研究から明らかにしたのがこの本「騎兵と歩兵の中世史」です。目次を以下に引用しておきます。
私は馳組戦への興味からこの本を手に取りました。本文ではどちらかというと騎射から打物への移行に重点がおかれており、特に南北朝期に登場した打物騎兵に大きな意味を見出しています。なので当初の関心とは若干違った内容ではありましたが、しかし面白かったです。
いつの時代であれ、兵器、戦技、戦術は連動して変化していくものですが、武士の戦法にもそれが生き生きと見られるのですね。
関連のおすすめ文献
戦国合戦入門―軍事学の視点から徹底分析 (歴史群像シリーズ 歴史群像アーカイブ VOL. 6)
posted with amazlet at 10.08.06
おすすめ度の平均:
火薬に関する記述が秀逸火薬
戦国の合戦の実像を描く
「騎兵と歩兵の中世史」は古代〜鎌倉〜南北朝までを扱った本ですが、戦国時代についてはこちらの本で要点がわかりやすくまとめられています。