リアリズムと防衛を学ぶ

本の感想などを書いています。

ウクライナ避難民を支援する組織への寄付

戦争が始まっています。 国際法を蹂躙する侵略国家に対し、自由主義とルールに基づいた世界秩序を奉じる国々が一致団結して制裁を科すことは非常に重要です。同時に、自由と独立を保持するために正当な自衛権を行使して戦っているウクライナを支援することも…

ある冬の戦争の始まり

モスクワにとって、それは安全の問題です。徐々に強大化している西方の敵対勢力がその地域に進出すれば、居ながらにしてロシア人の主要都市を脅かすことができます。 だからその国を緩衝地帯、あるいは衛星国に変えてしまわねばならないのです。相手は小国。…

南海トラフ地震に備えて何を準備しておけばいいのか

「南海トラフ巨大地震」は広範囲におよぶ大地震と津波 南海トラフ巨大地震 そのとき何が起こるのか(動画) 住宅の耐震化 家具などを金具で固定 津波からの避難場所の確認 防炎カーテン等、火災対策 最低3日、できれば7日分の水と食料の備蓄 災害用簡易ト…

ヨム・キプール戦争(第四次中東戦争)解説シリーズまとめ

第四次中東戦争の流れ この戦いは両国の間にある「シナイ半島」を巡って行われました。一つ前の戦争、第三次中東戦争で完勝したイスラエルは、シナイ半島を支配していました。国土が狭いイスラエルに取って、自国を安全に守るためにはシナイ半島を領有し、盾…

戦争はどのように平和をもたらすのか? ヨム・キプール戦争6

第四次中東戦争は、エジプトを中心とするアラブ軍と、イスラエルとの戦争です。戦争はエジプト軍の奇襲作戦が大成功したところから始まりました。しかしイスラエル陸軍の反撃が成功すると、エジプト軍は一転して壊滅の危機に晒されます。 それなのにイスラエ…

「即動必遂 東日本大震災 陸上幕僚長の全記録」

即動必遂 作者: 火箱芳文 出版社/メーカー: マネジメント社 発売日: 2015/03/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書は、書名の通り、東日本大震災の際に陸上幕僚長の地位にあった火箱もと 陸将が、当時を振り返って書いた著書です。興味深い…

分断の声、統合の歌

2019年2月24日には、2つの行事が予定されています。 東京では、天皇陛下御在位30年記念式典 沖縄では、辺野古移設又は新基地建設への賛否を問う県民投票 憲法で確認されている通り、天皇は日本の統合の象徴です。その天皇陛下の式典の日に対し、沖…

本物の古代史のまとめ本「古代史講義」ちくま新書

古代史講義 (ちくま新書) 作者: 佐藤信 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/01/10 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る ずっと昔から、歴史はエンターテイメントとして消費されるものです。むかしむかしは歌物語や講談話、現代では歴史ド…

読書記録「リンボウ先生の文章術教室」(林望)

リンボウ先生の文章術教室 (小学館文庫) posted with ヨメレバ 林 望 小学館 2006-05-11 Amazon Kindle 図書館 文章は誰にでも書けるものですが、どうせなら、自分が好ましいと思う文章を書きたいものです。 「良い文章」と言っても、良さの定義は人によって…

言語と民族(メモ)

断片的なメモも、ブログに書いた方がいいだろうと思いました。 なぜなら、誰にも読まれなければ無害ですし、誰かに読まれれば、ヒントになるかもしれません。 だから、これはただのメモです。 先の読書記録では、「最後の授業」から、言語による同化政策につ…

教科書から消えた「最後の授業」(ドーデ著)

最後の授業 (ポプラポケット文庫) 作者: アルフォンスドーデ,南本史 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2007/06/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (8件) を見る アルザス・ロレーヌ地方は、ドイツとフランスの歴史的な係…

「紛争地の看護婦」白川優子著

今年読んだ本の中で、もっとも感銘を受けた本を紹介します。 紛争地の看護師 作者: 白川優子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/07/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書は、「国境なき医師団」に参加している看護婦の著者の、紛争地で…

読んだ本「歴史と戦略」永井陽之助著

先の記事でも引用しましたが、名著の文庫版が出たので再読しました。超おすすめです。 冷戦時代、日本の安全保障に関する議論は、著しい貧困状態にありました。防衛を論ずること=軍国主義というようなイメージの強い時代にあって、かつ国内法に関する法理的…

真珠湾と原爆について思うこと

永井陽之助の著書の中に、こんな懐古の一節があります。アメリカでの体験談です。 ある一般市民の会で、たまたま私がヒロシマの原爆投下に言及したとき、間髪をいれず、「パール・ハーバーはどうした」という反撥がかえってきた。 この経験は、私一人だけの…

1944年のポーランドで日本人であることー 「また、桜の国で」須賀しのぶ著

第二次大戦中、もっとも悲運な国、ポーランドの首都ワルシャワで生きる日本人を描いた歴史小説の感想。